【剱岳ガイドによるルートと難易度のご紹介】カニのタテバイ・ヨコバイ 別山尾根ルートの難易度を解説

剱岳は、「岩と雪の殿堂」と称されるほど、険しい岩稜帯が続く山として知られています。そのため、登山道は一般的な山と比較して難易度が高く、転倒や滑落などの危険性も高いです。

剱岳登山ガイドによる、ルートガイドの重要性や代表的なルートの難易度、ルート選択のポイントについてご紹介します。

剱岳登山ガイドによるルートガイドの重要性

剱岳登山ガイドによるルートガイドの重要性

難易度と危険性が高い剱岳登山では、安全を確保するために、経験豊富なガイドが同行することが推奨されています。ガイドが同行し、登山ルートの案内をしてもらうことは、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

安全性の向上

危険な場所を安全に移動するための適切な行動や事前知識の共有・装備のアドバイス、天候の急変への対応などを行い、命に係わる危機の回避に関して安全性を向上させることができます。

ルートファインディング

経験豊富なガイドが同行することで、ルートを迷うことなく道順通りに進んでいるかを確認しながら進むことができ、安心して登山に集中できます。

体力的な負担軽減

ペース配分や休憩場所の選定など、体力を温存しながら登山を進められます。

剱岳の知識・情報の習得

剱岳の歴史、動植物など、ガイド自身の経験から詳しい説明を受けることができます。

このように、ルートを理解し危険な個所を知っているガイドが同行し、安全性を高めて剱岳登山への挑戦(チャレンジ)ができます。

剱岳登山ガイドが紹介するルートの種類

剱岳登山ガイドが紹介するルートの種類

剱岳登山には、大きく分けて一般登山道とバリエーションルート(その他の難易度が高い登山道ではないルートも含む道)が存在します。一般登山道は、整備された登山道であり、危険な箇所には鎖やハシゴが設置されているなど、比較的道が整備されており、登山をすることができます。一方、バリエーションルートは、一般登山道以外の難易度が高い登山ルートを指し、整備されていない箇所や危険な箇所が多いルートもあります。

ここでは、剱岳登山における代表的なルートの種類と特徴について見ていきましょう。

室堂ターミナルからのルート(別山尾根ルート):中級者向け

剱岳のルートの中では最も一般的なルートとされており、初めてチャレンジする方でも上る前に山小屋に1泊、降りてきてからも山小屋に1泊し登頂できる可能性が高いルートです。

※とはいっても大変危険な山ですので、しっかりとした準備と知識、装備、トレーニングが必要です。

早月尾根ルート:中級者・上級者向け

剱岳の登山ルートの中でもとてもアップダウンが多く高低差は2,378mあります。急な勾配の中、登りに約9時間30分。下りに約6時間30分の徒歩移動が必要になりますので、体力が必要となります。

剱岳は岩と雪の殿堂といわれる名峰で、どのルートでも、滑落、落石など多くの危険が伴います。ご自身の経験や体力、そして天候などを考慮し、無理のないルート選択をするようにしてください。

別山尾根ルートのカニのタテバイ・カニのヨコバイ

ここでは、剱岳登山の代表的なルートである「別山尾根ルート」と、その中で屈指の難易度といわれる「カニのタテバイ」「カニのヨコバイ」について見ていきましょう。

別山尾根ルート

剱岳の一般的な登山ルートである別山尾根ルートは、室堂からスタートし、雷鳥沢、別山乗越を経て剱岳山頂を目指します。

  • カニのタテバイ・カニのヨコバイ

大変有名なこの難所を攻略するには、相応の体力と技術が求められます。ここでは、ルートの難易度、危険箇所と注意点についてご紹介します。

難易度

最難関クラス:カニのタテバイ(9番鎖場)は、30メートルほどの岩壁をほぼ垂直に登る最難関エリアです。落石や滑落に注意しながらほぼ垂直の急な登りを行います。水でぬれていたり、滑りやすくなっていたり、体制を保つのが難しかったりと、剱岳登山の中でも特に難易度が高いルートの一つとされています。

高度を感じる中、体制を保ちながらつかむところの少ない急で危険な岩場を登る形になるため、高度感に慣れていることや、三点支持などの滑落しないための技術、鎖がなくても登るための体力が求められます。

危険箇所と注意点

落石の危険もあるため、ヘルメットの着用は必須です。また、滑落事故も発生しているため、集中力を切らさずに慎重に登ることが重要です。

岩に埋め込まれたボルトなどの補助器具を足場にしないと通るのが難しい場所もあります。

  • 一服剱~剱岳間の稜線

両側が切れ落ちた場所では、滑落に十分注意が必要です。

  • カニのヨコバイ

10番鎖場です。下山時の難関箇所です。鎖が設置されているものの、高さに恐怖を感じるかもしれません。足場がほとんどなく、視点からは足元がみえにくい上、足元が滑ることもあるため、慎重に歩を進めましょう。

下山では事故が起きやすいといわれていますので、知識と体力に加え、しっかりと準備をしておきましょう。

剱岳登山のルート選択のポイント

剱岳登山において、ルート選択のポイントをいくつかご紹介します。

コースタイム

コースを歩くのにかかる標準的な歩行時間のことですが、別山尾根ルートではトータル12時間を越えてきますので、自分の体力やペースを考慮して余裕を持った計画を立てましょう。

他のルートはどのぐらいなのか、情報を調べて準備しましょう。なにも調べずにチャレンジすることは命の危険があるため、しっかり調べましょう。

累積標高差

登山口から山頂までの標高差の合計値です。標高差が大きいほど登る体力が必要となります。別山尾根ルートでは、登りの累積標高差が約1,906mあります。

危険な箇所の有無と難易度

ルート上に危険な箇所がある山は、事前に十分な情報収集を行い、自分の経験や体力で安全に通行可能かを検討し、専門家への相談を行って判断しましょう。特に、鎖場や岩場、雪渓などがあるルートでは、事前に練習や技術習得が必要となります。自分のスキルに不安がある場合は、経験豊富な登山者への同行を依頼したり、ガイドツアーに参加することも検討しましょう。

経験値や体力

自分の登山経験や体力レベルを客観的に判断し、無理のないルートを選びましょう。剱岳初心者の方は、経験豊富な登山者と同行することや、ガイドツアーに参加することをおすすめします。

これらのポイントを参考に、自身の知識と経験や体力・筋力、そして当日の天候や気温の状況に合わせて安全で楽しめるルートを選びましょう。

安全な剱岳登山のためにルートの特徴や難易度をよく見極めよう!

剱岳登山におけるガイド・ルートは、登山者の経験や体力レベル、そして天候条件によって慎重に選択する必要があります。安全で楽しい登山を実現するために、ルートの特徴や難易度をよく見極めましょう。難所の攻略方法、高度感の恐怖への耐性、必要な登山技術、コースタイム・累積標高差、危険箇所の有無、天候条件などのポイントを踏まえて、自身の知識、経験と体力に合わせて最適なガイド・ルートを選び、思い出深い剱岳登山を安全に実現しましょう。

プタリピークの登山スクールでは、剱岳ステップアップコースをご用意しています。剱岳は、一般の登山者が登る山の中では、国内最難関クラスの山です。鎖場やハシゴ、ガレ場などが連続する険しい岩稜帯を上手く通過するための技術を身につけていきます。さらに、山のエキスパートによる指導で、ステップアップしていきながら登山リーダーとしての自覚を培うことも可能です。

参加条件や必要な装備、講習のプログラムなどは、プタリピークのHPに掲載しています。安全で楽しい登山にするために、経験豊富で(公社)日本山岳ガイド協会認定のガイドが同行するプタリピークをぜひご利用ください。

剱岳のガイドルートを徹底サポートするプタリピーク

教室名 登山教室プタリピーク
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